太田道灌公記念誌

太田道灌公530回忌記念誌

10年に一度、太田道灌公記念誌を発行しています。
ご希望の方には300円にて配布しています。お問い合わせください。

2016年(記事当時)は太田道灌公が相模の糟屋にて非業の死を遂げられてから五百三十年目に当たります。
毎年伊勢原市の洞昌院にて公のフアンやゆかりの方々を中心に報恩忌を行っておりますが年々参加者も増えております。
このように五百三十年もの長い間に亘って法事が営まれている例は全国的にも数は多くはないと思われます。

それは同公の人徳と業績と非業の死にあると思います。主家の為に懸命に働き、その興隆を果たすも凡庸な主君に妬まれて謀殺された悲劇は後の世の人々に広く愛されました。
戦雲たなびく関東を駆け巡り負け知らずの名将として、又都まで聞こえた和歌の名人として人々の心を引きつける魅力ある武将だからでした。

しかし世は戦国時代の真っ最中、公に関する信頼できる史料は「太田道灌状」と万里集九の「梅花無尽蔵」と「松陰私語」しかありません。
今回はその道灌状を尾崎孝先生に徹底的に解説していただきました。今まで何人かの学者が解説しておりますがそのどれよりも完成した解説書と言ってよいでしょう。
また森田孟名誉教授による道灌を語るうえで避けて通れない「山吹の話」の解説は今まで類を見ないほど詳細に分析された文章となっております。

それだけに今回の記念誌は後世に残る貴重な記念誌となりました。
我々は小誌を公のご霊前に奉納し公の誠実にして偉大なる足跡を偲びたいと思います。
同時に小誌編纂にご協力賜りました関係者の皆様に心より御礼を申し上げたいと思います。